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目の前のただ一人を落とす技術 

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昔の記憶。
僕がいた工房にはたまにいわゆる有名人がオリジナルのバッグの依頼に来ていた。
その鞄に対応するのは熟練の技術を持つ、最もキャリアのある職人だった。
とあるブランドの鞄がサンプルとして預けられ、
それを元に手作り革鞄の世界に落とし込んでいく。
コピーの様でコピーではないものが出来上がっていく。
それが一つのパターンでもあったのだけど、
価格は10万~25万程度。
普段僕らが製作するカバンはせいぜい5万程度。
正直、その価格に見合ったモノになるのかどうかが心配だったのだが、
仕上がりを見てうなった覚えがある。
しかもその有名人から
同じものを同じ価格で色違いでリピートが来る。
さすがは熟練の職人。
普段はめったに出さない高級品に仕上げるテクニックを
いくつも隠し持っている。
マスを落とす作りにしか頭がなかった僕は、
目の前のただ一人を落とす技術レベルの差に圧倒された。
作りの上で操る言語レベルが違う。
僕に流れる技術の奥底にはこんな可能性が眠っていたのか。
その時のハッとした記憶を忘れられず、
STRUO製品を作っている。

そもそも量産が前提の生地の鞄づくりの世界では
サンプルが一本10万なんて何も不思議なことはない。
それを知らないことの方が無知だ。10万のサンプルである以上、
ロット数でそのコストを散らし行くことがスタンダードな考え方なのだが、
ただの新し物好きには理解しがたい。

僕はそうした世界にもいたが、
問題はそれに見合った仕上がりになり、
御客さんが満足するかどうかだと思っている。
フルオーダーの世界の価格はあこぎなものにすることもできるのだけど、
職人としてのプライドを示す場だと思えば、
下手なことはできない。

はっきり言ってそうした記憶が原因で、
STRUO製品は時間がかかりすぎるものが多い。
同じものをフルオーダーの領域で型代も考慮すれば
10万以上なんて簡単にしてしまう。
そうしたクオリティのものをカタログ商品として揃えていくので、
オーダーなどせずに定番商品を買う方が金銭的なメリットはある。
だから僕はその回いくらもらうかよりも、
モノとして成功しているかどうかにこだわる。
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Posted on 2012/02/27 Mon. 10:40  edit  |  tb: 0   cm: 0  

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